AI企業の選別と衰退──ChatGPTはもう「懐かしの名前」になりつつある?

AIの群雄割拠時代も、そろそろ「生き残り組」と「あれどこ行った?」組に分かれてきた感があります。今回は、それぞれのAIが誰に使われているのかを整理してみます。意外と「ChatGPTって誰が使ってるの?」という結論にたどり着くかもしれません。

まず、エンジニアの間での話から。

IT技術者──つまりAIを一番ガチで仕事に使う人たちの間では、いまやAnthropicのClaudeがほぼ定番になりつつあります。コードを書かせても、技術的な質問をぶつけても、「Claudeに聞いとけ」という空気が出来上がりつつある。

そしてついにMicrosoftまで動きました。

2026年3月、MicrosoftはCopilotの目玉新機能として「Copilot Cowork」を発表。その中身はAnthropicのClaudeです。OutlookやSharePoint、Teamsと連携しながら「多段階の複雑なタスクを自律でこなす」というエージェント機能で、これがかなり本気の仕様。お値段は月$99/ユーザーの新プランに含まれる予定で、Microsoftがどれだけ本気かが伝わります。

「でもMicrosoftはOpenAIに多額の投資をしてたんじゃ?」というご指摘はごもっともです。確かに$13billionを投じたOpenAIとの関係は続いています。でもMicrosoftの目玉エージェント機能の中身はClaudeです。浮気というか、もはやオープンな関係です。

では、各AIは「誰に」使われているのか?

▼ Googleユーザー → Gemini
普段Googleで検索している人は、もはや検索結果の一番上にAIの回答が出てきます。あれがGeminiです。気づかぬうちにGeminiを使っている人、多いはず。さらにGmail、Googleスプレッドシート、Googleドキュメントなど「Googleのアプリを使ってる人」には、全部つながるGeminiが自然と便利な選択肢になります。

▼ 会社のWindows PC勢 → Copilot(中身はClaude)
業務でWindowsを使っている方は、CopilotがOS・Officeアプリに標準搭載されているのでそちらを使うのが最も楽。そして前述の通り、エージェント機能の中身はClaude。知らず知らずのうちにClaude使ってた、なんてことになりそうです。

▼ エンジニア・技術者 → Claude(直で)
コードレビュー、アーキテクチャ相談、ドキュメント生成。ここはもうClaudeの独壇場になりつつあります。

▼ そして……ChatGPT/OpenAI → ???
「AIって聞いたことある、とりあえずChatGPT使ってみよう」という、無課金の一般ユーザーたち。先行者メリットで知名度はまだ高い。でもそれだけ。

一般の技術的な質問への回答精度では他のモデルに水をあけられ、OSやメールやオフィスアプリとの連携もない。「とりあえず名前は知ってる」というポジションは、かつてのYahoo!検索を彷彿とさせます。

OpenAIの出口戦略はどこに?

OpenAIも新機能をどんどん出してはいます。でもGoogleの機能追加ペースはその上を行く。OSやアプリという「プラットフォーム」を持っているGoogleとMicrosoftに対して、「対話AIだけ」では土俵が違います。

莫大な出資を受けてスケールアップしているOpenAIですが、スケールの先に待っているのは、「ユーザー基盤のない巨大なモデル」になるリスクかもしれません。

かつて「検索といえばYahoo!」という時代がありました。その後どうなったかは、皆さんご存知の通りです。

AIの世界でも同じことが起きようとしているのかもしれません。ChatGPT、懐かしいよね──そう言われる日が来ないことを願いつつ、次の一手を待ちたいと思います。